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モバイル事情


Libretto20


 何年か前に、モバイルをする(出先でPCを使う)ために東芝のLibretto20を、20MBの増設メモリーを含めて、当時15.5万円ほどで大阪の日本橋で購入した。Libretto20はバッテリーの持ちを除けば、その頃私が考えていたモバイルのためのPCとしては、ほぼ理想的な機能を備えていた。
 さすがに最近持ち歩いているのはその何世代か後の後継機種のLibrettoL1なのだが、Libretto20は寝転がって使うには他のLibrettoシリーズと比較しても負けないくらい使い易い作りになっているので、未だに自宅の寝室に『備え付け』である。(春休みに長期入院した折、新年度のテスト処理のプログラムを、病院のベッドに寝転びながら組み上げたのも、このPCがあったからできたことである。)






パルディオ341S(Paldio 341S)


 Libretto20を使い出して間もなくだったと思うが、PHSを買うことになった。当時は携帯が流行りだした頃だったが、自分としてはいつでも便利に呼び出されてしまう携帯電話は好きではなく、周りから勧められても頑なに携帯の所持を拒否していた。そんな私がPHSを買う決意をしたのは、やはりモバイルコンピューティングであった。
 『自宅や会社で居る時と同じようにPCを操作できたら…』という願望は、そこそこ便利にPCを使っている者の共通のものだろう。『メールやHPのチェックがいつでもできればいいな』ということから、携帯よりは通信速度が速く、料金も安いPHSにすることに躊躇はなかった。
 機種については特にこだわりはなかったが、PCに接続するためのカードだけでも当時日本橋で1万円近くしたので、1.2万円で最初から接続カードが付属しているPaldio 341S(当時存在したNTTパーソナルの PHS 端末)の方が良いという判断を下した。元来、テレビにビデオが付属したテレビデオや電子レンジにオーブンのついたオーブンレンジの類は、『どちらかが故障すれば、修理に出す際に両方共に使えなくなる』という理由から、購入を考えたことさえなかったが、この時ばかりは、『同じくらいの金額なら、モバイルに便利そうなPaldio 341Sの方が良い』という判断であった。
 Paldio 341Sは、当時存在したNTTパーソナルの PHS 端末で、特徴は PCカード一体型 で、かつ カード部分のコネクタが コンパクトフラッシュカードサイズ になっているというものだ。Type2 用のカードアダプタが付属しており、ノートパソコン等携帯機器に直結して通信できること、充電器を持ち歩かなくてもノートパソコンから電源供給され、さらに充電もできるなど、モバイルコンピューティングに最適のスペックである。 おまけに、ザウルスポケットやPDS等の コンパクトフラッシュ用コネクタにそのまま挿入して使えるというように、『モバイルのために考えられたPHS』といった仕様である。
 PHS電話機としてもハンズフリー通話等の便利な機能が付属しており、今まで特に不満は感じたことはない。(別にドコモやシャープから何か戴いているということもないですが…)




パルディオ611S(Paldio 611S)


 パルディオ611Sは、上記341Sの後継機で、64Kデータ通信サービス対応端末。外見的にも機能的にも、ほとんどパルディオ341Sと同じ端末だし、前述したように、自分としては341Sで十分満足していたから、特に機種変更をするつもりはなかった。ところがである。出張で関西に長期滞在する時等、『充電器が2つあれば、持ち歩かなくて済むんだけど…』ということで、充電器のみ探したのであるが、ない。(これも前述したように、341SはPCのカードスロットル上から充電もできるが、そのためにPCの電源をつけておくというのも結構抵抗があった)
 そこで『どうせ買うのなら』ということで、パルディオ611Sに機種変更することにした。もちろん充電器が同じ規格だろうということが、前提になっていた。機種変更のため、341S本体は没収(?)。私は、
「それも自宅の子機として使っているので、欲しい!」とアピールしたのだが、
「それなら、新規購入ということで、1万円になります。」と反撃され、すごすごと引き下がった。611Sはすでに生産中止になっているとのことで、
「近くのショップの在庫をあたってみます。」と言って、担当のお姉さんが30分ほどかけて探し当ててくれた。
 後日、『届きました』の連絡を受け再来店し、電話帳を移し替える際、
「パスワードを教えてください。」の言葉に、愕然とする。パスワードが分からなければ、電話帳の移し替え作業ができないということあった。341Sのパスワードは、自宅の親子電話の2台目の子機にするために必要だったので設定し、それ以来4年以上の期間、使った記憶がない。
「ちょっと、待ってください。」私は心当たりの番号を何度も入力してみたが、すべてアウトだった。30分ほどやってみて、さすがにギブアップし、その旨を伝えた。
「書き写していきますか?」店員(お兄さん)が気の毒そうに尋ねた。
「いや、まあ電話帳自体はPCの方にありますので。ただ、341Sのアプリが611Sで動くかどうか…。」と、済まなさそうに見送るお兄さんに御礼を言って、店を後にした。
 それから帰り着くまでの間、かけたい所の電話番号も分からず、結構不便を感じたが、341S用にDLしたアプリは、611Sでも問題無く動作し(現在のバージョンは動作する旨、readmeファイルに記載されている)、200件近く登録していた電話帳は無事復活した。(ただ着信音は、再登録しなければならなかった)
 ドライバーについては、341SはWindows2000やXpでは、『標準のモデム』ということで自動認識し、問題無く使えたが、611SはXpでは『Paldio 611S』としてきちんと機種名入りで認識でき、もちろん支障無く使える。おまけに341Sに付属していた32KのPCカードアダプタも問題無く使え、そのまま64Kのデータ通信が可能である。


後日談


 関西から自宅に帰り着き、パルディオ611Sの親機:SHARP JD-B7(左写真)への登録にトライした。ところがPHSとしての登録はすぐにできたが、子機としての登録は何度やってもできない。パルディオ341Sの登録データが親機の方に残っていたからであった。とどのつまりはそのデーターの削除から行い、登録の作業に移って、やっと611Sの登録をすることができた。また、一般向けの説明書には、子機登録の方法は記載されていなかった。(機種変更した際にいちいち販売店とかに依頼して、やってもらうのだろうか?う〜ん??)
 611Sの充電器は関西の方においてきたが、341Sの充電器で問題なく充電できることを確認した。(なんばのショップのお兄さんが、341Sに付いていた古い電池を外して渡してくれたので、使えるだろうとは思っていた)パルディオ611Sと341Sは、本体の形状だけでなく、付属品やマニュアル等、ほとんど共通に使えるものばかりで、自分にとっては大変ありがたかった。